2015年3月14日
右上奥の銀歯2本.ここは保険の銀歯でと,削って,型どりして・・・,技工指示書(製作する技工士さんに情報をつたえる)に,注意事項やこういう風に作って欲しいという指示をだしてできてきたのが上の銀歯2本.当院スタッフは「オカリナ」と呼んでいました.悩みますね・・・.この形態のクラウンを入れることによってさらに,ものが挟まったりと悪影響を及ぼすでしょう.しかし,保険の現状を見ると,保険適用の金銀パラジウム合金は高騰を続け,逆ザヤ状態(保険点数より購入価格の単価の方が高い).そんな保険治療なんだから,「仕方ないんだよ」という業界話もなくはない.製作する技工士が悪いのか・・・いやいや,彼らも寝ないでやっても単価は気の毒な程度.確かにこのケース,条件的に難しいのもわかる.つまり,保険の限界ってこんなこともあるわけです.患者様にはご説明いただいて,できればこれは装着したくない.もっと手をかけてきちんとしたものを提供したいとご説明し,結局やり直したのが,下の歯です.何とか形になった.金属に置き換える前のワックスアップで試適し冠の形態を歯肉に合わせたし,実際に口の中で1ヶ月ほど使ってもらって,かみ合わせOKも確認して,最終的に接着しました.保険か自費か?材質だけの違いでなく,治療過程でかける手間も作る技工士も違うし,技工士の手間も技術もまったく違って,結果もこれほど違うという典型ですね.
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