奥歯の白い歯(審美)やインプラント、強度の高い金属床義歯、一日でお口の中全体をクリーニングするフルマウスクリーニング、歯を白くするホワイトニングなどなど、すべての治療に対応する最新設備と経験技術がございますが、残念ながらこれらについては保険対応ではございません。これらの治療が自費診療で高額なのは、材料が高価なためだと勘違いされている方もおられますが、材料だけでなく、質、生体に対する親和性、技術、治療に必要とされる精度、製作する技工士、製作に用いる精密機器などなど、すべてにおいて違いがあり、材質が高価なことだけが、高い価格となっているわけではないのです。
私は、大学病院で長らく研鑽を積んでそれらの高い技術を会得したと思っていますので、患者様お一人おひとりの一本の歯からお口の中全体まで、最高の技術と最高の材料、治療でやり直しの少なくかつ、個性的で審美的な口元を取り戻すお手伝いをしたいし、治療計画も即座にそれらを思い浮かべます。しかし、経済的な部分で保険とそうでないものでは大きな差があるのも事実です。これまで、保険でやっても自費でやっても材質だけの違いしか実感できず諦めてしまっている方もいるかもしれません。しかし、私たちは、ぜひこの実力を生かしたいと思っています。やはり、保険の制約の中では必要最小限度のことしか達成できない場合も少なくありません。
たとえれば、きれいなお口の中を保つために、健康な方がクリーニングを受けるという概念は保険には存在しません。また、粉をサンドブラストして表面や溝の隅々まで清掃し、さらに、プロの衛生士が丁寧に表面を鏡面研磨することによって汚れをつきにくくし、歯肉の健康を維持していく方法を一日で行うフルマウスのPMTC(プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング)などは保険で認められていません。こんなに効果的で、患者様も気持ちよく、歯周病対策としても効果絶大でも予防は治療ではないので認められていないのです。まねたようなことを超音波などで行うことは可能ですが、それらも、ブロックごとに行うという規制があるのです。このように、良いとわかっていてもできないもどかしさがいつでもあります。私たちは、長い間大学病院、米国留学も経ていくつもの専門医の資格も取得したプロ集団でありながら、保険の壁の前では無力です。歯科医サイドにも責はあったかもしれませんが、「保険でも保険じゃなくとも結局ダメになるのは一緒」と思ってしまっている皆様に伏してお願いいたします。そんなことは決してないので、私に、この経験と技術を発揮させていただけないか?ということです。私とタイアップしている技工士も同じ気持ちです。制限がある中ではできないことが多すぎて理想は追求できません。
そんな中でも、結局、歯科用CT、歯科用マイクロスコープなど巷では自費診療でしか受けられないものを採算度外視で利用しているケースは少なくはないのですが・・・・・、いかんせん、できないものはできないことが多々ございます。
保険のバリューセットだから手を抜いているのではなく、物理的に不可能なことが多いのです。歯の治療といえども、あなたの体の一部の医療なのです。歯科医院がコンビニエンスストア以上の数がある時代です。インターネットを検索すれば、ここで述べる保険外診療項目をいかにも、安く、簡便に、短時間にできるというような甘言広告を見受けることもままあります。できないことをできるようにするためにはどこかで帳尻合わせをしないといけない。どこかでコストカットを計らねばならない、それが、手抜きに、質の低下につながらない保証はどこにもありません。自分の体です。ディスカウント品ではなく純正品を使いましょう。しかし、純正品を湯水のようにじゃばじゃば使い続ければ、とんでもないことになるかもしれません。ですから、ライフプランを見据えた、トータルな治療計画が大切なので。歯が欠損した部位の治療にインプラントをお勧めするかもしれません。しかし、欠損している部分だけを見ているのではありません。ほかの歯もすべてトータルに診断し、近い将来トラブルが発生しそうな部位があれば、今の欠損に単純にインプラントを用いた方がいいのか、今後悪くなる部分も考慮した方がいいのかとか、同じ高額な治療費をかけるなら、どこに、どのように、鍵となる一手を打った方が良いのかを考えて、治療プランをご呈示しています。そのような治療はおそらく、今まで受けたことのない方がたくさんいらっしゃるはずです。
皆様、保険の効かない診療で金額だけをお聞きになって、こっちではいくらで、あっちはいくらだからと相見積もりをとって少しでも安い方でというお気持ちもご察し申し上げます。引き留めるすべもございません。・・・が、ある程度の治療費の概算をお伝えして、この範囲でなんとか・・・と言われれば、そこでベストプランに知恵を絞るのも私の役目ですし、保険外診療のクオリティや意義に賛同され、一歩を踏み出された方の将来の口腔内の変化に対してずっと責任をもってダメになるようなことはないかと、常にメインテナンスに心を砕いて、患者様一人一人が私にとってすべて特別であるという思い、そんなお付き合いをしていきたいと思っています。
25年にわたる大学病院勤務では、大学が儲かっても私はサラリーマンという立場で高額な診療費をさらっと言えたことも、ここでは、オーナーとなれば、私が儲け主義で言っているようで躊躇することもままあります。しかし、皆様の健康のために躊躇してはいけない、ベスト、ベター、グッド、治療法は一つではないかもしれませんが、より良いものがあるなら、ご呈示をして選択していただくことも私の使命。決して儲け主義だけで、良い治療法を説明しているではないことご理解いただければ幸いです。