2015年6月19日
もう何十年も前のことですが,インプラントについての講演会でとある高名な外人講師が,骨の質が悪くてインプラントががっちりくっつくのに不利な場合についてTime is best friend.,治癒期間をしっかりとりなさいという意味で言ったのですが,ホントにそう感じます.
まったく骨のなかった上あごの奥歯に4本のインプラントを埋入する手術をたった今,終了いたしました.骨造成手術をしてそれが,ある程度かたまるまで,しばらく待っての手術で,昨今の今日すぐにでも手術できます,噛めますという即時の技術からすれば,真逆なのですが,手術を行うまでの数か月,歯が入るまでの数か月をショートカットすることと,かめるように治療が完了してからずっと何事もなく使っていただく,今後の何年,何十年を天秤にかけた場合,いたずらになんでも焦ってショートカットするのがいいのか??もちろん,条件が許せば,症例によっては「即時」の適用も可能ですが,今日のような場合,「時は親友」を思い出すのです.おひとりお一人の状態をきちんと診断し,それに見合った治療法を適切に提供していくこと,それが当院のコンセプトでもあります.奇をてらわず,地道に,最善の方法で治療を進めていくことが大切だと思っています.
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